政府の宇宙開発戦略本部(本部長・菅首相)は、日本版の全地球測位システム(GPS)を構築するための準天頂衛星を、4基体制で運用する方針を固めた。 米国のGPS衛星に頼らずに測位するためには、自前で最低7基が必要だが、東日本大震災で財政状況が厳しいことから、米国GPSを補完・補強する形で、精度の高い測位が実現する4基で当面運用する。 昨年9月、日本初の準天頂衛星「みちびき」が打ち上げられた。ただ「みちびき」1基では、1日のうち8時間しか、測位に利用できない。さらに3基打ち上げれば、4基が交代で、24時間の高精度測位が可能になる。 試算では、7基体制にするには、今後約2300億円が必要だが、4基なら約1500億円で済む。同本部の専門調査会は2012年度予算に、準天頂衛星の開発費用を盛り込む方針を打ち出している。同本部では今夏にも最終結論をまとめる。日本版GPSが完成すると、位置情報の精度は10倍