ネズミに移植される前の人工腎臓=米マサチューセッツ総合病院再生医療センター提供ネズミの人工腎臓を移植する実験 【川原千夏子】実験室で再生させたネズミの腎臓を別のネズミに移植して、無事働かせることに米マサチューセッツ総合病院のチームが成功した。人間に応用できれば、腎移植以外に有効な治療法がない重い腎臓病の患者にとって朗報となる。14日付米医学誌ネイチャーメディシン(電子版)に研究成果を発表した。 同病院再生医療センターのハラルド・オット博士らは、ネズミから取った腎臓に薬剤を入れて細胞を取り除き、腎臓を形作る繊維質の「足場」だけを残した。ここに、生まれたばかりのネズミの腎臓の細胞とヒトの血管の細胞を注入し、人工腎臓をつくった。 その後、人工腎臓が実験装置内で尿を作るのを確認してから、別のネズミに移植。本来の腎臓には及ばないものの、ネズミの体内で尿を作る機能を確認した。 続きを読むこの記事