【ジャカルタ=梁田真樹子】インドネシア政府は12日、国内の加工産業育成などを目的に、ニッケルなど未加工の鉱石の輸出を禁止した。 同国は日本のニッケル鉱石輸入量の44%(2012年)を占める最大の輸入先。日本の非鉄大手などは当面、在庫消化や他国からの調達拡大で対応する方針だが、中長期的には調達が厳しくなり、自動車部品の製造などに影響が出る可能性がある。 外資も含む資源企業に対し、インドネシアで採掘された鉱石を国内で加工・精錬することを義務付ける「新鉱物・石炭鉱業法」(09年制定)が12日、施行された。未加工の鉱石輸出を事実上禁止するもので、ボーキサイト、コバルトやスズなども対象となる。 日本政府は、制度の見直しを強く働きかけてきたが、インドネシア国内では資源採掘による収入が「地元経済に十分還元されていない」との不満が強い。4月の総選挙や7月の大統領選挙を考慮して、禁輸に踏み切ったとみられる。