民撰議院設立建白書(現代版) 私たちが本提言に至った経緯は、この件がそもそも日ごろの持論であり、私たちが政府内にいた際にしばしば上申した者もおりました。そうしたところ、条約を締結した欧米諸国へ使節団を派遣中であり、実際の状況を調査した上で検討して議会を設けるべきとの評議がありました。しかしながら、もはや使節団が帰国して既に数カ月がたっておりますのに、どのような議会開設に向けた動きもなされておりません。近頃の人民の心情は騒がしく、上下を疑っており、国が崩壊する兆しがないともいえない勢いです。結局、人民的な議論が八方塞がりであるためにこのような事態に至ったと非常に残念に思っております。それ故に、議会開設についてご検討されるべきと考えます。 私たちが現在の政治権力の帰属するところを考えてみると、上は皇室でもなく、下は人民ではないと思います。ただ官僚にのみ帰属しているのです。そもそも、官僚は「皇室