ティエリ・グルンステン「マンガのシステム」(野田謙介・訳/青土社)Amazon 以前から翻訳中と聞いていた本が、つい最近刊行された。(翻訳者の野田さんのご好意で送っていただきました。どうもありがとうございます) 英訳版を手にしながら、結局ちゃんと読めなかった私にとっては大変ありがたい本で、よくぞ日本語版を出してくれたものだと思う。 この本を読み始めて思うことは、いろいろあるけれども、具体的な内容について云々する以前に、やはり出版されたことの意義を考えてしまう。 この本の内容を日本の一般的な読者が検討するには、たぶん2つのハードルがある。やはり、そのことをまず具体的に指摘しておきたい。 ■1.「マンガの国」と「バンドデシネの国」のギャップ まずは、この本が正しくは「バンドデシネのシステム」であることは、注意されなければならない。フランスのバンドデシネ(やアメリカのコミック)について書かれたも
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