韓国国会の文喜相(ムンヒサン)議長が、元徴用工問題解決のため法案を準備している。日本企業に損害賠償を命じた昨年10月の最高裁判決後、日本企業が原告との和解協議に応じない状況を受けての法案だが、日本側の責任に関する言及はなく、賠償金をだれが代わりに払うか、カネの話ばかり議論されている現状を憂慮する。 国会がとるべき解決策は、最高裁判決に沿って「重大な人権侵害」を認め、被害を回復するプロセスであるべきだ。民事訴訟の形をとったが、法廷闘争で原告が求めたのはカネではなく人権の回復だ。 最高裁は、不法な植民地支配下における強制動員に対する慰謝料を認定した。1965年の日韓請求権協定に至る交渉過程では、日韓政府とも議論しなかった部分だ。国際労働機関(ILO)は、元徴用工問題は強制労働条約違反だとして被害救済措置を何度も日本政府に勧告したが、日本は対処していない。韓国政府は2005年に、元徴用工らに追加