献血の注射で神経を損傷したとして、大阪の男性が日本赤十字社に慰謝料などを求めた裁判が始まりました。 訴状によりますと、大阪府の男性(40代)は、2016年、献血の際に注射針を刺した左腕に強い痛みを感じ、しびれが治まらないため、日赤から紹介された病院を受診しました。そこで「献血の際に神経が損傷した」という診断を受けたため、日赤から医療費などの一部の支給を受け始めました。男性は、後遺症により仕事が十分にできないとして経済的な補償の相談をしたところ、日赤側から「応じられない」とされたため訴えを起こしました。10日の初弁論で、日赤側は「採血をした看護師に過失は一切なく、仮に注射によって神経を損傷していたとしても不可抗力である」などと請求の棄却を求めました。男性は裁判を起こした理由について「今まで奉仕のつもりで献血してきたのに、手のひらを返されたように感じた。お金が目的ではない」と答えています。