鈴木亜美の最近の活動については人と意見が分かれて、僕は聴く前にかなり否定的だった。 僕はヒットチャートとは一線を画するようなミュージシャンがアイドルをプロデュースした仕事を、そんなに嫌いじゃない。むしろ好ましい。しかし、この企画はよくないと思った。最初にこの企画を知ったのは雑誌広告である。そこにあった鈴木亜美の写真には人形然とした演出が施されており、それを見たからこそ、僕はげっとなった。その広告はアイドルというものを批評的に表現しているわけだった。この批評性が、よくある陳腐なものだからいけないということではない。そうではなくて、ならばこの操られる人形というポジションにいるのは間違いなくアイドルでなくてはいけないだろう、ということだ。ここに今の鈴木亜美は来ないだろう。僕はそう考えたのである。まず今の鈴木亜美をアイドルの立場にあてがうのは勘違いも甚だしい。2007年において鈴木亜美が何かを象徴