公開中の映画『シン・ゴジラ』が好評らしい。 公開は7月29日だったが、今月25日に星海社から出る拙著『安全保障入門』の作業がクライマックスだったために観に行けず、SNS上で加熱するシンゴジ面白かった話に耐えつつも、校了した8月5日にすぐ観に行き、その評判に違わぬ出来に大変満足した。 『シン・ゴジラ』を観て関心したのは、現在の日本の安全保障や危機管理の制度が丹念に描かれていたことだ。映画については既に様々な評価がなされている。ここでは自分の分野である安全保障に絞り、ネタバレも最小限に抑えるため、初動対処の一部に限定して、シン・ゴジラで描かれた日本の安全保障・危機管理制度について述べていきたい。 映画『シン・ゴジラ』公式サイトより 忠実な初動対処スキーム ゴジラを始めとする怪獣映画といえば、初代を除くシリーズの多くの作品で、ゴジラなどの怪獣の存在が認知されている世界観で、怪獣に対抗するため