「テレビが消える」。昨今、そんな刺激的なフレーズを見かけるようになった。新聞業界を始めとする既存のマス・メディアが崩壊の危機にあると指摘する声は少なくないが、ついにテレビ業界もそういった議論の俎上に乗せられる時代が来たようである。 今後テレビ業界はどのような変化を遂げるのか。連載企画「メディアの次世代」、今回はメディア・コミュニケーション研究所の菅谷実教授にこれからの展望を語って頂いた。 ◆ ◆ ◆ ◆ 「地上波のテレビ局について言えば、信頼できる映像メディアとして今後も一定の社会的役割を果たし存在意義を持ち続けるでしょう。しかし過去のような『超』優良企業として存続し得るかどうかは疑問です」 放送事業の未来に関して、菅谷教授はこう語る。確かにテレビ朝日など在京民放キー局の最近の決算を見ても、最終赤字や減益予想などが目立つ。日本経済全体の不況の影響を受けたと解釈するのが妥当だろうが、一