前回は 読点過剰症候群 の文について検討しましたが、今回は、読点を打つ位置によって文の意味が変わってしまう例を見ていきましょう。 最初は、「仮名や漢字がくっついて誤読する」ケースです(※1)。 (A1)ここで、はきものを脱いでください。 (A2)ここでは、きものを脱いでください。 (B1)その後妻に話しかけた。 (B2)その後、妻に話しかけた。 これは簡単ですね。例文(A)は笑い話になりそうですが、例文(B)はそうはいかないかもという感じです(「それは深読みしすぎ」とは、畏友 遠野君の弁)。 次に古典的な例を挙げると、「美しい水車小屋の娘」というのがあります。すぐにわかるとおり、これは「美しい」が「水車小屋」にかかっているのか、「娘」にかかっているのかどうかわかりません。この例について、2011年の実用書 文章技術部門で一番売れた近藤勝重(2011)『書くことが思いつかない人のための文章教
