まさにタイムリーな発明だ。 驚くなかれ。ペットボトルに使われるプラスチック樹脂を原料とする放射線検出装置が開発された。しかも、製造コストは既存の放射線検出装置の10分の1にすぎない。 さらに、「シンチレックス」と命名されたこの製品は日本製だ。 3月11日の東日本大震災と、それに続く福島第一原子力発電所の事故発生から4カ月近くがたとうとするいま、関係当局は、放射線に不安を持つ親や子供に数万台の線量計を配布しようと努力している。シンチレックスは、まさにうってつけだ。 シンチレックスは、早ければ今秋にも実用化される可能性があるが、この発明も一夜にして生まれたわけではない。京都大学原子炉実験所の中村秀仁助教授は、測定した放射線量に応じて様々な程度の蛍光を発する素材の開発に、5年を費やしたと語る。 中村助教授は、いつかそれほど遠くない将来に、誰もが携帯ストラップにぶら下げる放射線検出器を持てるように