先日、あるイベント会場で、面白いものを見た。 「インターネットを使ったヘンな紙芝居をやります~」という声に誘われていくと、始まったのは「即席紙芝居」なるもの。 実はこれ、第15回メディア芸術祭でエンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選ばれた、れっきとした1つの芸術作品だ。 会場に登場したのは、一見すると普通の紙芝居屋さん。だが、よく見れば自転車の荷台に取り付けられた舞台にはめ込まれていたのは、紙芝居ではなく、iPad! 昭和のエンターテインメントである紙芝居が最先端のデバイスで再現されるというのも斬新だが、それに加えて見せ方もユニーク。2枚の重なった絵を半分だけ見せてみたり、ゆっくり抜いてみたりと、まるで紙の紙芝居のように自在に操作しながら、場のコミュニケーションを操っていく。本のページをめくるような一般的なスライド操作とはだいぶ違う。 さらに驚いたのが、紙芝居の“即席”ぶり。 たと