東日本大震災から1カ月が過ぎた頃、私はちょうど香港、広州を旅行中だった。地元の記者、編集者らと会うと、自然に大震災取材の話となった。 今回ほど各メディアが勢力的に現地に記者を派遣したケースはまれだと言う。日本大使館の発表では3月11~14日の間、記者を対象に臨時で発行した緊急取材ビザは60件以上で、中国メディアの東京特派員やちょうど別件で東京出張取材を行っていた記者なども含めれば初期段階に100人以上が被災地入りし取材したと聞いている。 CCTV(中国中央テレビ)は私が聞いただけでも地震発生後2日目から5組のカメラクルーが入っている。聞けばヘリコプターをチャーターして最前線取材を行ったそうだ。香港衛星テレビのフェニックステレビも少なくとも2組のカメラクルーが入り、防護服も用意していたという。そういう潤沢な資金で縦横無尽に取材する大メディアだけでなく、地方の都市報や週刊誌まで精力的に記者を被