東京・千駄木の「青鞜社」発祥の地に立つ作家の森まゆみさん。「平塚らいてうの勇気ある生き方に励まされます」 明治の末、女性解放運動家の平塚らいてう(1886~1971年)らが創刊した雑誌「青鞜(せいとう)」をテーマにした『「青鞜」の冒険』(平凡社)を、作家の森まゆみさん(59)が出版した。 地域誌の編集人を務めた経験を踏まえ、雑誌編集の視点から同誌を見つめ直した。 「長年の宿題を果たした感じです」 東京・千駄木で1911年、産声をあげた「青鞜」に著者は親近感を抱いてきた。同じ地域で84年、女性の仲間2人と地域誌「谷中・根津・千駄木」を創刊し、25年間続けたからだ。 「女性の文芸振興や地位向上と、地域の魅力の掘り起こしと、それぞれの雑誌の内容は違います。でも女の人が集まることの面白さ、難しさなど、似ていると思うことがありました」 本作は、<元始、女性は太陽であった>と高らかに唱えた「青鞜」の思