2011年3月の福島第一原発事故により、福島県は広範囲で放射能汚染を受けた。南相馬市でも広い範囲で土壌や家屋が汚染され、原発から20km圏外では南相馬市が、小高区を中心とした20km圏内では環境省が主体となり除染作業が行われている。私が赴任した2014年4月から比べても黒いビニールに包まれた放射性廃棄物は増え続けており、作業に従事する作業員の多さを物語っている。 多くの除染作業員は福島県の相双地区(相馬地方・双葉地方を合わせた呼称)外や福島県外からやってくる季節労働者(いわゆる出稼ぎ労働者)だ。その数は南相馬市だけで7000人以上、福島県内では3万人以上にものぼる。これだけ多くの作業員が従事していると、どうしても健康問題が生じる。