荒川下流部における地盤沈下は、江東区を中心として大正時代から発生していました。沈下は第2次大戦末期から昭和25年までは一時減少していましたが、その後、経済活動の復興とともに沈下量・沈下区域ともに年々増大し、T.P.0m以下の面積は、昭和34年に約27平方キロメートルであったのが、昭和50年には約84平方キロメートルとなり、また最大沈下量も昭和43年には江戸川区西葛西で1年間に23.89cmの沈下が測定されました。しかし、昭和47年に水溶性天然ガスの採取が禁止されたことなどによって、沈下は急速に減少し、昭和51年からは年間に5cm以上沈下する地域は見られなくなりました。