ある外資系メーカーの経営者から、こんな話を聞いた。業界の会合で、総務省の局長に「おたくに高いライセンス料を取られるので、日本のメーカーは全滅だ」と強く批判されて驚いたそうだ。その局長は「国産メーカーを守るために総務省は全力を挙げる」と言って、南米に自ら出向いて日本の地上デジタル放送を売り込んでいるらしい。 たしかにブラジルでは、日本の地デジ(ISDB-T)が採用されている。しかし全世界をみると、右図のように欧州規格(DVB-T)が圧倒的だ。ISDB-Tが「南米標準」になったところで、第2世代携帯電話のPDCのような「ガラパゴス規格」になり、日本メーカーが世界の技術に取り残されるのが関の山だろう。 このような技術ナショナリズムが、成功した試しは一度もない。かつて総務省が「ユビキタス」とかいって国を挙げて応援したICタグは、どこへ行ったのだろうか。経産省の進めている「情報大航海プロジェクト」は
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