「最新のノートPC(パソコン)を買ったのですが平日には持ち歩けません。今日は久々に充電して持ってきました」。土曜日に開かれた会合に姿を見せた30代のSE(システムズエンジニア)はこう言ってPC用ケースから黒一色の愛機を取り出して机の上にそっと置き、黒光りしているノート機をさらに布で磨き始めた。 彼はシステム開発会社に勤務しているが、普段は顧客の開発現場に赴いて仕事をしている。今の客先はノートPCや記憶装置の持ち込みを禁じているので、彼はせっかく買ったノートPCを自宅に置いたままだ。客先までノートPCを持参し、受付のロッカーに預け、帰宅時に取り出して持って帰れば、持ち歩くことは可能だろうが、帰宅はたいてい夜遅くになるから、モバイル利用どころか持って歩くだけになってしまう。 久しぶりにノートPCを持ち出せて嬉しそうな彼を見て、会合に同席していた若手SE達が次々に一声かけた。「うちもノートPCは