東北大学は2022年4月13日、ICチップの設計データに紛れ込んだ不正機能を高速に検知する新技術を開発したと発表した。設計データの中に不正な回路を組み込んでおく「ハードウエアトロイ」を、数学的な手法を用いて網羅的に調べて検知できる。これまでは調べきれなかった大規模で複雑な設計データにも適用でき、不正行為を未然に防げると期待する。 東北大学教授の本間尚文氏らが開発した技術は、ICチップの設計仕様と実際の設計データを数学的な手法を用いてそれぞれ簡単な表現に変換して比較するもの。本来の仕様とは異なる回路構造が紛れ込んでいたときに、ハードウエアトロイの疑いがあると判断できる。今回は「グレブナー基底」と呼ぶ数学的な手法を使って、1対1の簡単な数学的な表現に変換することで、仕様と実データの等価性を調べられるようにした。 これまでICの機能を検証する場合、さまざまな入力を与えて仕様通りに動作するかを確認
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