中国が国際金融の表舞台に登場し、ついに「ドル一極体制」に揺さぶりをかけ始めた。 中国人民銀行の周小川総裁は23日、国際金融システムの制度改革を進める上で、IMF(国際通貨基金)に対し「スーパーソブリン(超国家=国際)準備通貨」の創設を求めた。IMFの特別引き出し権(SDR)の活用範囲を広げて準備通貨とする案で、SDRの構成通貨とその組み入れ比率の見直しを提案している。 ◆下落への不安 SDRは1969年、固定為替相場制のブレトン・ウッズ体制において金や米ドルの供給不足を補完する、加盟各国のための国際的な準備資産として創設された。だがその後のブレトン・ウッズ体制の崩壊でSDRが導入当初にもくろんだ必要性は後退し、現在は政府や国際機関の間での活用にとどまっている。 周総裁は人民銀ウェブサイトに掲載された論文で、今回国際金融危機が発生し、世界中に波及したのは、既存の国際金融制度(ドル一極