2010/11/197:0 中国におけるネット世論の勃興と民主主義 高原基彰 ◇削除とコピー&ペーストのいたちごっこ◇ 中国をめぐる激震が止まらない。尖閣諸島事件につづいて、劉暁波氏へのノーベル平和賞受賞、さらに五中全会での新指導部決定など、大きな事件が相次いでいる。 この「零八憲章」も、既存マスメディアではほぼ何も報じられず、またネットで検索できない検閲対象語だった。大多数の中国人がその存在を知ったのは、政府系メディアで受賞後の劉氏に対するネガティヴ・キャンペーンが本格化してからのことだろう。 中国のマスメディアは政府の情報機関の統制下にあり、情報の流通は西側諸国などと比べればはるかに制限されている。しかしながら、いかに既存マスメディアを規制しても、またネット上で「金盾」ファイヤーウォールを構築しても、それを飛び越えるかたちで各種の情報が漏れ入ってくるのは避けられない。 とくに、インター