ローカル5Gによる生産設備の制御は少なくとも当面難しいが、それでも製造業の期待は高いままだ。変種変量生産への移行が進む中、重要性が増す“人”のスマート化をローカル5Gは実現する。 「5Gで人を支える、人に優しい工場を実現しようと考えている」。富士通5G/ICTビジネス推進室でシニアマネージャーを務める上野知行氏はこう意気込む。 ローカル5Gの免許申請が始まったが、最大のマーケットと目されるのが製造業。工場におけるローカル5Gのユースケースの検討が具体化する中、浮き彫りになってきたのは、ローカル5Gは現場で働く“人”の能力を支援・拡張できるということだ。 スマートファクトリーについては、ロボットの自動制御などによる「無人化」の視点で語られることが多い。もちろん、それは重要な方向性の1つだ。しかし実は今、モノづくりの現場では、人の重要性が高まっている。ニーズの多様化や需要の不透明化などを背景に