「週刊少年サンデー」で1997〜2006年に連載された藤田和日郎さんの人気漫画「からくりサーカス」が、10月からアニメ化されている。マリオネットを操る人形使いたちが、人を襲う自動人形(オートマータ)と戦うアクション作品だ。 メーンキャラクターの1人・才賀勝は三男ながら、大企業の社長だった父の遺言で全財産を相続する。原作では、その額「180億円」。それゆえ、叔父からは誘拐されるし、4人の異母兄姉からは命を狙われることになる。 しかし、遺言に書いてあれば、全財産を特定の人物に譲れるのかと言えば、実際のところはかなり難しい。「遺留分」という仕組みがあるからだ。「からくりサーカス」を例に、相続の仕組みを見ていきたい。 ●遺言に「全財産」とあっても、最低限の持分は請求できる 遺留分とはなにか。相続問題に詳しい鈴木優大弁護士は次のように説明する。 「『遺留分』とは、兄弟姉妹以外の相続人のために、法律で