北海道の彫刻家・砂澤ビッキ(砂澤恒雄)氏のことを知ってからだいぶ月日が経ちました。三国志に出てくる虎の髭の張飛、もしくは夷酋列像で蠣崎波響が描かいた国後のツキノエの様な魁偉な風貌に先ず興味を惹かれ、その大きな手で産み出されるモダンで原始的な彫刻作品に驚かされたのでした。 その砂澤ビッキ氏が眠るお墓が旭川にあると耳にして、とある平日に旭川市営旭岡墓地に立ち寄ってみました。アイヌ様式の墓標と並んで本州で多く見かける角石の墓石があるも、この明治38年に開園した墓地に眠るのはアイヌの血を受け継いだ人のみなのだとか。昭和のユーカラの伝承者だった杉村キナラブック女氏もこの墓地に眠られています。 砂澤家は和式の墓石なのかと思いきや、墓誌が前面に置かれていました。その後ろに3本は「クワ(杖)」と呼ばれるアイヌの風習に習ったもので、死者が先祖のもとまで辿り着く案内を担うのだと本で読んだ事があります。砂澤ビッ