香山哲さんの『ベルリンうわの空 ウンターグルンド』を読みました。楽しみにしていたので、じんわり味わいつつも、それでいてあっという間に読んでしまった。余韻にひたる……。 前作『ベルリンうわの空』がベルリンの日常や文化の「体験記」とするなら、今作はベルリンの「生活」をより深掘りするもの。「地下の空きテナントに“清潔スペース”を作る」という活動を通して触れる、ベルリンの公共・福祉・社会保障。異文化をゆったりと、押しつけがましくなく、それでいてはっきり伝えてくれるたたずまいは、ベルリンの住人たちのスタンスと通じていて、日本にいる自分もここから何かインストールしたいな、と思うのだった。 で、この『ベルリンうわの空』シリーズ、読んでいると交通機関がちょくちょく出てくる。登場人物たちが会話する舞台として。そして、さまざまな人たちが居合わせる「社会」として。 例えば「ウンターグルンド」の21ページ。Sバー
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