「現代は更年期を迎えても、そこからあと30~40年は生きる人が多い時代。更年期をうまく乗り切り、その後の人生をなるべく楽しく過ごすためにも漢方の知恵を上手に使ってほしいです」そうおっしゃるのは、つくばセントラル病院産婦人科部長で東邦大学薬学部客員講師の岡村麻子先生。岡村先生は薬学部卒業後に医師となり、さらに中医学を学ぶため、中国にも留学。漢方医学と西洋医学、両方の側面から女性の体をトータルに診療できる数少ない婦人科専門医です。第1回目の今回は、更年期に起こる心身の変化とその原因、そして有効な漢方薬について伺いました。 そもそも「更年期」とは女性のライフステージの区分のひとつを指す言葉です。女性のライフステージは卵巣機能の活動に伴い、小児期・思春期・成熟期・更年期・老年期の5つに区分されます。 更年期にあたるのは閉経の前後5年ずつ、計10年間くらいの期間です。閉経の平均年齢が50.5歳1)で