政府は、労働者に事実上無制限の時間外労働(残業)を課すことが可能とされる労働基準法の「36(サブロク)協定」の運用を見直し、1か月の残業時間に上限を設定する検討に入った。 上限を超える残業は原則禁止し、現在はない罰則規定の新設を含め、具体化を図る。長時間労働が少子化や、男性の家庭参加を阻む原因となっているとして、月内にも発足する関係閣僚と有識者の「働き方改革実現会議」(議長・安倍首相)で詳細な制度設計を議論する。 労使が36協定を結んだ場合の残業時間の上限は、現行でも「1か月45時間」の基準が厚生労働相の告示で定められている。ただ、例外規定があり、「特別の事情」について労使の合意があれば上限を守らなくてもよいことになっている。