レメディ職人の朝は、まず水との対話から始まる。 「ありがとう。今日もきれいだね。」 「水は何でも知っているんですよ。水に聞けば、今日のレメディの出来の良し悪しが分かるし、水への感謝の気持ちがなければいいレメディはできない。」 *1 しかし、水を大量に使用するレメディ作りの現場だからこその苦労もある。 「やっぱ冬の仕事はキツイね、愚痴ってもしかたないんだけどさ(笑)」 「でも自分が選んだ道だからね。後悔はしてないよ」 そうもらしつつも職人のレメディを見る眼差しは不良品を見逃さなかった。 「このレメディはダメだ。ほら、希釈ムラで分子が混じっている。」 彼の目にかかれば、精密機械を使用せずとも原物質の分子の有無が分かってしまう。 「それから波動の転写の良し悪しももちろんだけど、ビンのラベルの貼り間違いに気をつけないといけないとね。」 「もちろん出来上がったレメディは一つ一つ私自信で二重盲検してい