栄枯盛衰は世の習いとはいえ、IT(情報通信技術)長者がまた1人経済界の表舞台から去る。有線放送最大手、USENの宇野康秀社長(47)が11月26日付で退任し、後任に中村史朗顧問(38)が就任する。宇野氏は新設される「グループ会長」という役職に就くが、取締役を退き経営の第一線から外れることになる。 宇野氏は、インターネット時代の花形経営者だった。有線放送から光ファイバーによるブロードバンドサービス、無料のインターネット動画配信事業、映画の制作・配給まで手を広げた。 ホリエモンこと堀江貴文・元ライブドア社長(38)たちより年が一世代上であることから、「ヒルズ族の兄貴分」と呼ばれた。 その兄貴分がIT長者ぶりをみせつけたのは2006年3月。事件で窮地に陥ったライブドアを救済するため、フジテレビが保有していたライブドア株(12・7%)を宇野氏個人の名義で95億円で取得した。が、これを境に坂道