【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、中国当局が製造元の天洋食品(河北省石家荘市)の元臨時従業員、呂月庭容疑者(36)逮捕をこの時期に発表したのは、中国と欧米との関係がぎくしゃくするなか、日本の対中世論を好転させようとする中国指導部の意向を反映したものとみられる。 日中両政府は5月1日に開幕する上海万博に合わせた鳩山由紀夫首相の訪中と温家宝首相の訪日の調整をスタートさせており、中国側はギョーザ事件を解決することで首相相互訪問を後押しする方針とみられる。 容疑者逮捕を伝えた26日夜の中国国営・新華社通信は、逮捕時期には触れていないが、同社関係者によると、警察当局は比較的早い段階で待遇に不満を持っていた同容疑者に注目し、証言集めなど裏付け捜査を進めてきた。同通信は中国側捜査態勢について「事件発生後、両国消費者への高度の責任感に基づき、全国から捜査、検査などの専門家を選び出し、専