ニューヨークに致命傷を与えたのは満潮だった。ハリケーン「サンディ」と満潮が重なったため、いわゆる高潮によりニューヨークに潮がなだれこんだのだ(NHK NEWS WEB[ぜい弱さを露呈 米のハリケーン被害])。 テレビ映えのする強風や豪雨が着目されるが、本書では高潮災害の恐ろしさを強調している。過去100年間の台風被害の最大のものは、1959年の伊勢湾台風における高潮によるものだ。過去10年間を見ても、2005年ハリケーン・カトリーナの死者1200名、2007年のサイクロン・シドルの死者4000名、2008年のサイクロン・ナルギスの10万人を超える死者は、すべて高潮によるものだ。 本書は、高潮発生のメカニズムをこう解説する。 地上気圧の低下による海水の吸い上げ 強風による沿岸への海水の吹き寄せ 波浪による水位の上昇 1ヘクトパスカル(hPa)の地上気圧の低下が、約1cmの水位上昇を引き起こす
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