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ブックマーク / www.takamori.info (2)

  • 高森顕徹 公式サイト|白道燃ゆ「ハエと人間」

    ボルネオ島の人達が、猩々を捕らえるのに面白い方法がある。 アリックという強烈な酒を彼らは愛飲するが、その酒を数滴落とした水ガメを、猩々の巣の下に置く。 すると猩々は、その香りに誘われて木を下り、やがて、それを飲み出すのである。 翌日から彼らは、酒の分量を少しずつ増してゆく。猩々は生まれつき大酒飲みではないが、毎日少しずつ酒を濃くしてやると、知らず知らずの中に酒の味を嗜み、酒豪に変身するのである。 最後には、生のままのアリック酒を置いても、ガブガブ一気に飲み干してしまうようになる。 しかし、その時はさすがに猩々は、ポーッといい気分になって人間と同様、酔っぱらいになり、あたりかまわず石を投げたり、木を折ったり、散々暴れ回る。果ては高鼾で寝てしまうのである。 そこを彼らは、まんまと捕らえるというのである。五欲という迷酒に酔っぱらって、その自覚もない人間程、危ないものはない。 瀬戸内海で遊覧船が沈

  • 高森顕徹 公式サイト|(19)お草履は手前のご主人・藤吉郎時代の秀吉・光に向かって

    木下藤吉郎(秀吉)が織田信長の草履番頭であったのは21歳、信長は24歳であった。 前ぶれなしに、夜中でも明け方でも床をけって飛び出す、信長の草履あずかる仕事は、決して楽なものではなかったろう。 四六時中、信長の動静を注意深く見守り、とっさの外出に応ずるだけの態勢が必要であった。 信長がいつなんどき玄関へ飛び出しても、藤吉郎が信長の草履を懐にあたため、軒下に犬のようにうずくまっていた話は有名である。 初め信長は、藤吉郎のそろえた草履をはくと生あたたかいので、 「こやつ、主人のはきものに腰をかけておったな」 と大喝した。 “こやつは、役に立つか立たぬか” 信長は、常に人間の才能を試す心が非常に強かったから、当は、そうは思っていなかったが、わざと叱って藤吉郎の返答を試したのである。藤吉郎は、ありのままに答える。 すると信長は、 「まだ、主人を言いたばかるかっ」 と、どなりつけて、小姓に命じて藤

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