改装した空き家で取材に応じるフェリー会社「ごごしま」の山下峰社長=松山市の興居島で2021年12月、遠藤龍撮影 過疎高齢化の象徴ともいえる離島。瀬戸内海・伊予灘に浮かぶ興居島(ごごしま)(松山市)も例外ではなく、現在の人口は約1000人で、この15年間で約500人減った。しかし、新型コロナウイルス禍の中で「異変」が起きているらしい。島を訪ねてみた。【遠藤龍】 興居島は松山市本土の西方約2キロにあり、面積約8・5平方キロの細長い島。有数のミカン産地として知られる。風光明媚(めいび)で海水浴場もあり、夏には多くの観光客が訪れる。ただ、農家は高齢化し、若者も本土に渡って住民は減り続けてきた。 「ここも、あそこも空き家ですね」。島と本土を結ぶフェリー会社「ごごしま」の山下峰(たかし)社長(40)と島の集落を歩く。次々と空き家が現れ、中には倒壊寸前の住宅もある。「生まれ育った場所。やっぱり寂しいです