エクスペリエンスというキーワード ITの世界でおそらく、いま最も注目を集めている言葉はエクスペリエンスであろう。少なくとも、米国のeビジネス関係者にとっては、一番重要な戦略目標であるのは間違いない。マイクロソフトが新しいOSやOfficeのキーワードとして「エクスペリエンス」を採用したことで日本でもこの言葉の認知率は高まったが、その意味するところについてはまだまだ浸透しているとはいえない。 さて、エクスペリエンスとは「体験」と訳す向きもあるが、この訳はあまり適切ではない。一言でいえば「これまでになかった体験」と表した方がピンとくる概念である。具体例を挙げよう。 1980年代に急速に世の中に広まったソニーの「ウォークマン」は、現在流に表せば「エクスペリエンス」だった。ウォークマンの出現以前は音楽といえば「建物の中で耳にするもの」であり、「自由に外に持ち出すことはできないもの」であった。ソニー
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