小学5年生の頃、さかあがりができなくて、さかあがりしたいという欲望はなかったけれど、周りを見るとなんだかできないまんまじゃダメな気がして、練習をはじめた。 わたしの小学校では「さかあがりができない人」はさかあがりの補助板のようなものがある鉄棒で練習をする、という雰囲気があって、「できない人」たるわたしもそこで練習をすることにした。 3回ほど板を蹴っていると突如ぐるんっと世界がまわった。 あっけなく、わたしはさかあがりしていた。 *** ドラえもん50周年記念となる映画『ドラえもん のび太の新恐竜』はのび太のさかあがりと新恐竜の飛行の秘密をめぐる物語である。 公開直後からちまたでは「泣ける」映画として話題を呼んでいる(ちなみにドラえもんの映画で泣くことは「ドラ泣き」と呼ばれている)。 わたしの3歳のむすめもドラえもんが好きで、映画館に行くたびに『ドラえもん のび太の新恐竜』のポスターを指で指