オバマ政権の大きな選挙公約のひとつである「医療保険制度改革法案(Affordable Health Care for American Act)」が11月7日に下院で可決されました。下院では、パブリック・オプションという国営の保険制度設立と保険対象に中絶を含めるかどうかが大きな論点になりました。法案は220対215と僅差で可決されました。民主党から39議員が反対票を投じています。共和党議員は1人が賛成して、他の共和党議員は反対票を投じています。上院での審議はさらに厳しいものになると予想されます。現在、民主党は60議席、共和党は40議席を確保しています。しかし、下院の例を見るまでもなく、民主党の中にも反対議員が多く、共和党からの支持を期待できないのが実情です。民主党政権念願の医療保険制度改革が実現するかどうか、まだ予断をゆるしません。ここに掲載した記事は10月下旬に『週刊エコノミスト』に寄稿