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ブックマーク / runsinjirun.seesaa.net (3)

  • 映画「リンカーン」善と正義の対立: シンジの“ほにゃらら”賛歌

    映画「リンカーン」善と正義の対立 このタイトルの意味は「善」は奴隷制度廃止、「正義」は戦争回避を意味する。映画「リンカーン」では奴隷制度廃止を優先するか、南北戦争を早く終わらせるかの二択に揺れるアメリカ議会を描いている。 現代に生きる我々は当然、奴隷制度廃止が優先に決まってると思うだろう。奴隷制度はどう考えても絶対悪であり、すぐにでも廃止しなければならない制度であるのは明らかだからだ。 アメリカの有名な政治哲学者にサンデルという人がいる。彼の哲学の特徴を一言で言い表すと「正義に対する善の優越」ということになる。「善は正義に優越する」ってどゆこと?これは南北戦争を例に取れば簡単に説明できる。 リンカーンの若いときからの政敵にダグラスという人がいた。ダグラスは奴隷制度に関しては州ごとに考えが違う。だからこの問題は棚上げにして、南北の分裂を防ぐべきだと主張した。それに対しリンカーンは奴隷制度は「

  • 映画を政治的、道徳的に批判してはダメか: シンジの“ほにゃらら”賛歌

    twitterでRTされたtweetを読むとこんなことが書いてある。映画「アルゴ」を政治的な理由で批判する人は政治を重視し、映画を軽視してるという批判だ。 正直またか・・・という気がする。つまり映画は社会的、政治的なものには一切関わらない、無謬の楼閣であり、映画を見る場合は政治的、道徳的価値決定に対してはあくまで中立的でなければならない。 映画を見る時は、あくまで映画に内在する美学的見地からしか映画を評してはいけないといいたいのだろう・・・・・アホじゃなかろうか。 では聞くが、はたして政治的、道徳的に完全に中立の立場から映画を見ることなどできるのだろうか。はっきりいってしまえば映画内の道徳的価値決定に対しては中立的でなければならないと言う奴は嘘をついているかバカか、そのどちらかでしかない。 もちろん映画に外在する現実の映画作家たち、クリント・イーストウッドが極右であろうが、ハワード・ホーク

  • エヴァンゲリヲンQと自由意志問題: シンジの“ほにゃらら”賛歌

    映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」を見た。面白くてびっくりした。Qとくらべたら序も破も凡作と言って差し支えないのではないか。オープニングからしていったい画面上で何が起きているのかさっぱりわからないにもかかわらず、こんなにワクワクドキドキする自分にびっくりする。いや、ちょっと待て自分。意味がわからないのに面白いって子供じゃないんだからと、一応解釈らしきものがぼんやりと浮かんできたので書いてみる。 エヴァQの主人公シンジはその選択という選択、行動という行動がすべて裏目にでる。よかれと思ってしたことが、ことごとく悲惨な状況を生み出してしまう。このような主人公は他の映画でも見たことあるな~と思い出したのがフランク・ダラボンの映画「ミスト」だ。 ミストを観た人はわかると思うが、ミストの主人公であるお父さんは子供を守るために行動するまさに正統派ヒーローだ。モンスターが闊歩する異常な世界にいながら果断

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