まずはじめに断っておきたいのは、ガンダムのモビルスーツの概念が『宇宙の戦士』から出ているという話は、嘘だということだ。ぼくは、ハインラインの植民地的嗜好は嫌いで、マシンにスーツという単語を当てはめる英語の使い方を教えられたにすぎない。しかし、以来、英語=語学=学問=それは自分にはできないこと、という図式が少しは緩んだ感じがあって、感謝している。 僕は、他人が作ったものを、読んだり見たりすることが面倒で厭だ、というなまけ者だから、生活をするために仕事をしなければならないなら、見たいものや読みたいものを作ることを仕事にしてしまえば得だ、という発想があってこの仕事をやった気配がある。 しかし、やってみて分かったことは、作りたいものを作るためには、自分の好みだけではできないという発見で、それが、僕に、むかし購入しておいたクラウゼヴィッツの『戦争論』(岩波文庫)に戻ることをさせた。が、そこでも戦闘と