小さく切り分けられたアルベルト・アインシュタインの脳。セロイジンという物質の中に保存されている。(PHOTOGRAPH BY STEVE PYKE, GETTY IMAGES) ノーベル物理学賞を受賞し、人類に相対性理論とE=mc2(エネルギーと質量は等価である)の公式、光電効果の法則をもたらしたアルベルト・アインシュタインが、特別な頭脳を持っていたことは確かだ。あまりに特別だったため、1955年4月18日にプリンストン病院で亡くなったとき、勤務していた病理学者のトーマス・ハービーは、アインシュタインの脳を盗み出してしまった。 アインシュタインは、個人崇拝されることを嫌い、自分の脳も体も、研究に使われることを希望していなかった。ブライアン・ビュレル氏は、2005年に著書『Postcards from the Brain Museum(脳博物館からの葉書)』のなかで次のように述べている。「ア