東日本大震災からもうすぐ2か月。 着の身着のままで難を逃れた被災者の中には所持金が底をつく人も出始めた。全国から集まった義援金の申請受け付けは始まっているが、まだ手元に届いていない人も多い。避難所で使う机から子供の学用品まで、救援物資では補えない様々な出費があり、被災者からは「このままでは生活できない」との悲鳴も上がる。 「避難所にいてもお金は出ていくばかり」。宮城県名取市の文化会館で避難生活を送るパート店員の荒井幸美さん(29)はそう顔を曇らせる。荒井さんは津波で壊滅的な被害を受けた同市閖上(ゆりあげ)で母(53)と中学1年の弟(13)、小学1年の長男(6)の4人で暮らしていた。自宅は津波で流され、家にいた弟は半月後に遺体で見つかった。 「ギリギリの生活をしていた」という荒井さんの当時の貯金はわずか5万円。避難所の救援物資は十分ではなく、近所のショッピングセンターでカップラーメンや