本当に意味のある忙しさなのか 技術者はとにかく忙しい。技術開発競争に明け暮れて、目の前にある課題を一刻も早く解決しようとサービス残業も厭わず働きに働いている。上司に指示されているわけでもないのに、土日も自主的に出勤して仕事に没頭する。 そうした苦労の末にようやく開発した製品を出荷してそれで終わりかと思いきや、そうは問屋がおろさない。市場に出してから予期せぬ問題が発生する。それが技術上の問題であれば、何はさておき開発者自身が現場に出向いて問題解決にあたらなければならない。本来であれば、技術サポート部隊に引き継ぐべき仕事であるが、技術の粋を集めた新製品では、開発者自身が現場に駆けつけないと埒があかない場合も多い。次の開発をかかえながら、現場のトラブルにも対応しなければならない技術者は、まさに体がいくつあっても足りないほどだ。 しかし、こうした忙しさは果たして本当に意味のある忙しさなのであろうか