「後頭部の頭皮に生じるズキンまたは刺すような痛みであり、同部に感覚の低下あるいは異常を伴う」 国際頭痛学会は、「後頭神経痛」をこう定義する。つまり、後頭〜耳介(じかい)=耳のうち、外に張り出している部分の後方に枝を出している神経の異常が引き起こす「神経痛」なのである。多くは後頭の片側のみの発作痛であり、発作と発作の間に症状はない。特に、外後頭隆起(後頭骨下部中央の骨のでっぱり)付近などに痛みを誘発する部位(トリガーポイント)があり、髪をブラシでといたり、首を動かしたりすることが痛みの引き金となる。 痛みを含む後頭〜耳介の後部の知覚は大後頭神経、小後頭神経、大耳介神経によって伝えられ、このうち大後頭神経は頸(けい)神経の第2番目の枝、他の2つは頸神経叢(そう)=頸部の神経の集まり=より出る。したがって、首の運動でも痛みが起きるのである。なお、大後頭神経、小後頭神経は共に外後頭隆起から上に向か