「わからないことがあったら、とりあえずChatGPTに聞く」——そんな行動が、特に若者の間では、いつの間にか当たり前になった。 メールの返信、企画書の作成、レポートの要約など、かつては自分の頭で考えていた作業の多くを、ChatGPTやGeminiなどの生成AIに任せる人が急激に増えている。 だが、その“便利さ”の裏で、見過ごせない変化が起きている。人間の「思考力」そのものが、静かに侵食されているのではないか。 言語と脳のメカニズム研究の第一人者の酒井邦嘉・東京大学大学院教授は、生成AIの普及に強い危機感を示す。その理由を聞いた。 生成AIが奪う「思考のプロセス」NTTドコモのモバイル社会研究所の調査によると、全国の15歳から69歳の7223人を対象に、生成AI利用率を集計したところ、対話・相談、検索・テキスト生成、動画・画像・音楽生成において、生成AIを使用したことがある人が51%と、過半

