全額、現金で給付する意向を表明しているのは群馬県太田市や静岡県島田市、大阪市など。クーポンの印刷や配布の煩雑さ、利用できる商品・サービスの線引きの難しさなどが理由だ。 同様の検討を始めた愛知県犬山市の山田拓郎市長は本紙の取材に「給付のスピード、市民の利便性や満足度などを考えると、現金給付の方が効果が高い。そもそも市民はクーポンを望んでいない」と主張し、政府に柔軟な対応を求めた。 政府がクーポンにこだわるのは、貯蓄に回りやすい現金に比べ、子育て関連の支出が確実に見込め、地域経済の下支えにもつながると判断しているからだ。現金5万円を先行して年内に、残る5万円分のクーポンを来春の卒業、入学シーズンまでに配る予定で、松野博一官房長官は「それぞれ別の給付措置で、同時に支給することは想定していない」と強調する。