体力的に易しいのは美ケ原(うつくしがはら)(二、〇三四メートル)、厳しいのは北アルプスの黒岳(二、九八六メートル)と鷲羽岳(わしばだけ)(二、九二四メートル)の高瀬ダムからの往復。 富士山(三、七七六メートル)は平均よりやや上。作家の故・深田久弥が選定した日本百名山を体力面からグレード分けした表を、鹿屋体育大の山本正嘉教授(運動生理学)が作った。 「百名山」は登山者に人気が高い。ガイドブックでは経験によって★マークなどで難易度を表しているが、山本教授はデータに基づいて各登山道の負担度を数値で示し、必要な体力をより科学的に表示した。 中高年の山岳遭難が増え続けている。山本教授は体力不足が一因とし、「表を遭難防止に役立ててほしい」と願っている。 山本教授は登山の消費エネルギー量をルートの指標にした。数値は(1)歩行時間(2)歩行距離の総数(垂直方向、水平方向)-で表し、それぞれ研究に基づく一定