「私は下手やし、練習せなあかんねん」。寝室でふと目を覚ますと、明かりをつけて机に向かい、スケッチブックに鉛筆を走らせている。テレビを見ていると「手、貸して」と手のモデルを求めてくる。結婚した時の約束で家に仕事は持ち帰らなかったが、画力を磨くための日々のデッサンは欠かさなかった。舌を巻くほどの情熱で。 「京都アニメーション」第1スタジオ(京都市伏見区)の放火殺人事件から18日で2年。犠牲になった池田晶子(しょうこ)(本名・寺脇晶子)さん(当時44歳)の三回忌を前に、夫(48)が在りし日の姿を語った。