北米でも昨年12月に発売され、高い評価を受けているPS2向けのRPG『ペルソナ4』。中でも、登場人物の1人は、北米では珍しいタイプのゲームキャラクタとして注目を浴びている。  高校生として日常生活を送りながら、異世界の敵と戦う本作。その登場人物“巽完二(たつみ・かんじ)”は、中学時代から札付きの不良として名前をとどろかせている男。ところが、“シャドウ”と呼ばれる存在により、完二の抑圧された感情が明らかになる。なんと、シャドウの完二は、ふんどし一丁でお姉言葉を口にする“オカマキャラ”なのだ。  完二はもう1人の自分を受け入れることで、ペルソナを召喚する新たな力に目覚めるが、“自己の性をどうとらえるか”という問題に直面して葛藤する心理描写は、北米でも反響が大きかったようだ。開発者向けニュースサイト“Gamasutra”に掲載された記事をきっかけに、ブロガーやゲーム評論家たちがこぞって完二のことを取り上げ、業界全体を巻き込む関心を引き起こしている。  本作が評価された背景に、日米文化の違いが影響しているのは間違いないだろう。日本では、テレビや雑誌でオカマキャラのタレントやキャラクタを見ることは日常的になっているが、アメリカでは、最近状況が変わってきたとはいえ、まだまだ抵抗は根強い。  そんななか、北米向けローカライズを行ったアトラスUSAは、日本文化を正確に描写するため、オリジナルの内容は極力いじらないように心がけた。特に、完二のシャドウにまつわる強烈な描写は、日本のテレビで目にするものとしてそのまま残すことにしたそうだ。結果、同性愛の表層的な描写にとどまらず、人の内面にまで深く踏み込んだゲームとして賛辞を受けることになったのだから、アトラスUSAの決断は正しかったといえるだろう。  なお、『ペルソナ4』では、完二本人が本当に同性愛者なのかどうかは明確になっていないが、“ストレートかゲイか”と答えをはっきり出したがるアメリカ人の目には、その微妙なバランスも新鮮に映ったらしい。今後も日本のゲームには、キャラクタ描写を強力な武器としていってほしいものだ。

fuyufuyufuyufuyufuyufuyu のブックマーク 2009/02/08 14:45

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