「彼らがこのように述べるのは,ポストモダニズムやポストコロニアリズムの理論家たちが擁護している「差異,移動性,異種混淆性の政治」が,まさにロバート・ライヒの著書に表われるように,いまや資本の戦略と世界市場のイデオロギーを支えるものになっている,という認識によっている.ポストモダンな生産の体制によって特徴づけられる<帝国>は,差異や多様性や流動性を抑圧するどころか,むしろ積極的に必要としている.それらは<帝国>的権力の「可能性の条件」でさえある.要するに,「権力はかれらが攻撃している砦をすでに引き払ってしまい,差異の名においてかれらの襲撃に自ら加わるべく,その背後に回りこんでしまったのだ」.したがってポストモダニズムやポストコロニアリズムの理論家たちのしていることは,まったくの空振りだということになる. 」

rrmmjjffrrmmjjff のブックマーク 2009/02/12 22:08

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