つい1年ほど前まで米ニューヨークのタコス店でバーテンダーをしていた29歳のヒスパニック女性が、米政界に旋風を巻き起こしている。史上最年少の連邦下院議員、アレクサンドリア・オカシオコルテス氏(民主党)。早くも「AOC」の略称が知れ渡った彼女は、急進左派的な政策を連打しつつ、SNSを駆使して若者の心をつかむ。「左のトランプ」とも呼ばれる若きスターの出現に、ほくそ笑む人がいる。ほかならぬ、あの人だ。 2千人の会場が満杯 世界中から起業やITの関係者が集う「サウスバイ・サウスウェスト」(SXSW)。テキサス州オースティンで3月に開かれたこの巨大イベントで、とりわけ注目を集めたのは有名起業家でも大物政治家でもなく、「民主社会主義者」を自ら任じるオカシオコルテス氏のトークショーだった。 2千人超を収容する最大会場に観衆が入りきらず、スクリーン中継の別会場ももうけられた。ステージ下では数十人のカメラマン